今回は、4x4 魔方陣に挑戦します。4x4 魔方陣には、数字の配置数が 20,922,789,888,000 (16!) 通りもあり、解が 7040 (重複解を除くと 880) あります。数字の配置1つ1つについてチェックしていたのでは、日が暮れてしまいます (日が暮れても終わらない!!)。ここで、解の1つを見てみましょう。
1 | 8 | 12 | 13 |
10 | 15 | 3 | 6 |
7 | 2 | 14 | 11 |
16 | 9 | 5 | 4 |
4x4 魔方陣は、横・縦・斜めの4つの数字の和が 34 になりますが、他にも4隅 (図の赤で示した部分) と中央 (図の青で示した部分) も数字の和が 34 になります。横・縦・斜めの1列だけを配置しただけでは、解に至るには遠そうですが、 4隅または中央に配置すれば何とかなりそうです。今回のプログラムは、先に4隅だけを配置して、 解を求めました。早速ですが、プログラムを見て下さい。
use strict;
my @order = ('0:15', '3:12', '0:3', '12:15', '0:12', '3:15');
my %between;
foreach my $i (1 .. 15) {
foreach my $j ($i + 1 .. 16) {
push @{$between{34 - $i - $j}}, $i . ':' . $j, $j . ':' . $i;
}
}
foreach my $i (1 .. 7) {
foreach my $j (($i + 1) .. 10) {
last if $i + $j * 3 + 3 > 34;
foreach my $k (($j + 1) .. 15) {
last if $i + $j + $k * 2 + 1 > 34;
next if $i + $j + $k + 16 < 34;
my @corner_1 = ($i, $j, $k, 34 - $i - $j - $k);
my @corner_2 = @corner_1[0, 1, 3, 2];
my @corner_3 = @corner_1[0, 2, 3, 1];
foreach (\@corner_1, \@corner_2, \@corner_3) {
my @board = split(//, 'u' x 16); # 何の意味もない。好みの問題
@board[0, 3, 12, 15] = @$_;
search(0, @board);
}
}
}
}
sub search {
my $no = shift;
my @board = @_;
my ($i, $j) = split /:/, $order[$no];
my $k = ($j - $i) / 3;
foreach (@{$between{$board[$i] + $board[$j]}}) {
next if join(':', $_, @board) =~ /\b(\d+)\b.*\b\1\b/;
my @work = @board;
@work[$i + $k, $j - $k] = split /:/;
if ($no == 3) {
next if $work[1] + $work[5] + $work[9] + $work[13] != 34;
}
if ($no == 5) {
next if $work[4] + $work[5] + $work[6] + $work[7] != 34;
printf "%3d %3d %3d %3d\n", @work[0, 1, 2, 3];
printf "%3d %3d %3d %3d\n", @work[4, 5, 6, 7];
printf "%3d %3d %3d %3d\n", @work[8, 9, 10, 11];
printf "%3d %3d %3d %3d\n\n", @work[12, 13, 14, 15];
} else {
search($no + 1, @work);
}
}
}
今回のプログラムでは、重複解を除いた 880 の解を表示するように作りました (一応は)。盤面には、平坦な配列 @board を使います。盤面のマス目の番号は、左上が 0、 右下が 15 になります。そして、組合せを生成するループを使って、合計値が 34 になった数字を4隅に配置します。以下に、盤面と配置された様子を示します。
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パズルでは、重複解の扱いがやっかいです。上の例で、4つの数字の4隅への配置は 24 (4!) 通りあります。今回のプログラムでも、少し改造して 24 通り探索するようにすれば、7040 の解が得られます。今回のプログラムでは、1つの組合せ (数字順に並んでいる) から3つのパターンを生成しています。組合せの最初の数字を左上に固定して、 残りの3つの数字を右下に入れています。これで探索すると、880 の解が得られます (たぶん大丈夫と思っているが、自信はない)。
4隅に数字が配置されたので、その4隅の数字を利用して間の2つに数字を配置していきます。 そのために、あらかじめ2つの変数 @order と %between を用意しておきます。@order には、2隅の番号のペアのリストを格納しておきます。%between は、キーに隅の数字2つの合計値を、 値に間に入れることのできる数字のペアのリストを格納しておきます。 そして、2つの変数を利用して間に数字を入れていきます。それでは、実際のコードを見てみましょう。
my ($i, $j) = split /:/, $order[$no]; my $k = ($j - $i) / 3; foreach (@{$between{$board[$i] + $board[$j]}}) { next if join(':', $_, @board) =~ /\b(\d+)\b.*\b\1\b/; my @work = @board; @work[$i + $k, $j - $k] = split /:/;
まず最初に、これから処理する盤面の番号 $i と $j を取得します。次に $i と $j の間のマス目の番号を取得するために、$k を設定しておきます。(再帰呼び出しではない) 初回の search 呼び出しでは、$i に 0 が、$j に 15 が、$k に 3 がセットされます。マス目 0 と 15 の間の2つのマス目の番号は、$i + $k と $j - $k で取得することができます。 そして、マス目 $i と $j の数字を加算して、その合計値をキーとして間に入れる数字のリストを取得します。 上の図の例では、%between のキー "5" のリストを取得することになります。%between のキー "5" のエントリーは、次のようになっています。
5 => [ 13:16, 16:13, 14:15, 15:14 ]
foreach の List 部に上のリストが入ります。すでに @board に配置されている数字の場合は、正規表現を使ってスキップします。上の図の例では、@board の要素に 16 がありますので、最初の2つはスキップされます。次の "14:15" は、@board に使われていないので、マス目5に 14 が、マス目 10 に 15 がセットされます。 そして、マス目6と9に数字をセットするために search が再帰呼び出しされます。 盤面が埋まるか失敗するまでで、これが繰り返えされます。
プログラムを実行すると、高速 (それほどでもなく、待たせない程度) に 880 の解が表示されます。
(2005/06/15)